近年、企業がホームページをもつことは必須となりました。しかし、多くの中小企業ではホームページ作成のノウハウに乏しく、作成が難しいと感じているのではないでしょうか。
ホームページは企業の顔であり、商品・サービスの紹介はもちろん、企業理念や信頼性を伝える重要なツールです。適切なホームページをもつことで、新規顧客の獲得や企業ブランディングに大きな効果が期待できます。
本記事では、ハイクオリティなホームページを低コストで作成する方法について解説します。ホームページ作成の流れと留意点を押さえることで、自社にあった作成方法が見えてきます。
Contents
ホームページ作成の準備
ホームページを作成する際には、いくつか準備するものがあります。外部に制作を依頼する場合も、準備物や進行方法は知っておくべきです。ここではホームページ作成にあたって準備すべきものを、紹介します。
必要なもの(サーバー、ドメイン、CMS)の確保
会社のホームページを作成するためには、以下の3つのものを用意する必要があります。
1. サーバー
ホームページのデータを格納し、インターネットに公開するための場所です。レンタルサーバーやクラウドサーバーなどのサービスを利用します。
2. ドメイン
ホームページのURL(住所)に使われる、「http://www.例えば.com」の「例えば.com」の部分です。ドメイン事業者から取得します。
3. CMS(コンテンツ管理システム)
HTMLファイルの作成やサイト更新を容易にするシステムです。WordPressなどが有名で、初心者にもおすすめです。
上記3点を整えることで、会社のホームページを作成する環境が整います。ドメインとCMSの選定は、ホームページの目的に合わせて適切に行いましょう。
ホームページの目的や掲載する情報の決定
ホームページを作成する前に、そのホームページの目的を明確にすることが重要です。目的によって、掲載する情報の内容が異なってきます。
一般的な目的としては、以下のものがあげられます。
目的 | 掲載情報の例 |
企業PR | 企業理念、事業概要、沿革など |
商品・サービス紹介 | 商品・サービスの特長、仕様、価格など |
採用情報 | 求人情報、働く環境、福利厚生など |
お知らせ発信 | ニュースリリース、イベント情報など |
上記のように目的を定め、ターゲットとする顧客層を想定しながら、掲載する情報を決定します。
ホームページの目的が明確になれば、次のステップとして、具体的な情報の内容や構成を細かく検討しましょう。
会社のホームページ作成で重要なポイント
会社のホームページを作成する際に、重要なポイントを紹介します。自社にノウハウがあるかないかで、制作の進行方法が変わるでしょう。今回紹介するポイントに、こだわれる方法を選択してください。
ターゲットを明確にする
会社のホームページを制作する際、最も重要なことは、誰をターゲットにしているかを明確にすることです。
ターゲットを絞り込むことで、以下のメリットがあります。
- コンテンツの方向性が明確になる
- ターゲットに合わせた訴求ができる
- ターゲットのニーズに合わせた最適化ができる
例えば、以下のように具体的に設定することが重要です。
ターゲット例 | 特徴 |
20代女性 | 商品やサービスの情報が欲しい |
50代男性経営者 | 会社概要や実績を知りたい |
学生 | 会社の雰囲気や採用情報を探す |
このように、年齢層や性別、立場といった属性を組み合わせてターゲットを設定しましょう。そうすることで、どのようなコンテンツを作成し、どのように表現していくか?などが定まりやすくなるので、目的に向けたホームページの効果が高まりやすくなります。
全体のデザインに統一感を出す
会社のホームページを作成する際、全体的な統一感のあるデザインを心がけることが大切です。デザインの統一性が保たれていないと、ユーザーに混乱を招いてしまいます。
ホームページのデザインに統一感を出す方法として、以下のポイントが挙げられます。
- 全ページで同じフォントを使用する
- カラーパレットを決め、サイト全体で同じ配色を使う
- ロゴの色や形状を統一する
- ナビゲーションバーのデザインを揃える
- 各ページの構成要素(ヘッダー、フッター、サイドバーなど)を同じレイアウトにする
サイト全体で使われるデザイン要素を統一することで、ブランドイメージの一貫性が保たれ、ユーザーにとって使いやすいホームページになります。
モバイルフレンドリー
近年、スマホやタブレットなどのモバイル端末の利用が急速に拡大しています。そのため、会社のホームページを作成する際には、モバイルユーザーにも快適に閲覧できるようモバイルフレンドリーなデザインを心掛ける必要があります。
具体的には以下の点に留意しましょう。
- レスポンシブWebデザインの採用
- PCとモバイルで自動的にレイアウトが最適化される
- 読みやすいフォントサイズの設定
- 適切なボタンサイズでタップしやすい操作性
- 不要な画像の削減によるページの軽量化
パソコンでもスマホでも見やすいホームページは、閲覧者から評価されるだけでなく、SEO対策としても必要です。今の時代、必ず複数デバイスに対応したホームページが必要でしょう。
SEO対策
ホームページを作成するうえで、検索エンジンの上位表示を狙うSEO対策は欠かせません。検索ユーザーに見つけてもらえるよう、以下の対策を検討しましょう。
- キーワードの選定:訪問者の潜在ニーズを把握し、ターゲットとなるキーワードを設定します。そのキーワードを適切に散りばめ、ページタイトルや本文に盛り込みます。
- 内部リンクの適切な設置:サイト内の関連ページへのリンクを設置し、検索エンジンの評価につなげます。ユーザビリティの向上にも役立ちます。
- 高速化対策:ページの表示速度を高速化することで、ユーザーとクローラーの両方に好印象を与えられます。
このようなSEO対策を怠らず、継続的に行うことで、検索エンジンからの上位表示が期待できます。
ホームページ作成方法の選択
ホームページの作成方法には、大きく分けて2つの選択肢があります。自社制作かアウトソーシングです。
ホームページの目的や予算、社内の人的リソースなどを踏まえて、自社制作かアウトソーシングかを検討する必要があります。今何が必要で、どの方法があっているかを、しっかり検討しましょう。
自社で制作する方法
会社のホームページを自社で制作する場合、大きく分けて3つの方法があります。それぞれどのようなものか、解説します。
– HTMLやCSSで自作
最も基本的な方法が、HTMLとCSSを使った自作です。HTMLはWebページの構造を記述する言語で、CSSはデザインを定義する言語です。
HTMLとCSSを使えば、完全にオリジナルのホームページを作ることができます。自由にカスタマイズでき、費用は発生しません。しかし、一から作成するため高度な技術が必要です。作業工数もかかります。
HTMLやCSSで自作するためには、Web制作の知識と経験が不可欠です。作業量を考えると中小企業が自力で行うことは現実的ではありません。
– CMSを使った自作(WordPress等)
CMSとは「Content Management System」の略で、Webサイトの更新・管理を簡単に行えるシステムのことです。WordPressやJimdoなど、無料で利用できるCMSが多数あります。
CMSを使えば、HTMLやCSSなどの知識がなくてもWebサイトを作ることができます。テーマやプラグインを使えば、機能を簡単に追加できることもメリットです。
WordPressは国内で最も利用されているCMSで、機能の拡張性が高く評価されています。一方で、Jimdoのように、より操作性を重視したCMSもあります。目的に合わせてCMSを選ぶことが重要です。
CMSを使えば、誰でも比較的簡単に会社のホームページを作ることができます。ただし、カスタマイズ性や運用面でのデメリットにも注意が必要です。
– ホームページ作成ツールを使う
ホームページ作成ツールを利用すれば、HTMLやCSSの知識がなくてもホームページを作成できます。有名なサービスとしては、Wix、Squarespace、GoDaddyなどがあげられます。
これらのツールでは、用意されたテンプレートからデザインを選び、ドラッグ&ドロップで簡単にページレイアウトを組み立てることができます。また、ブログ機能やオンラインストア機能なども備えているものが多く、会社のホームページに必要な機能がそろっています。
作成ツールはサブスクリプション形式が一般的で、月額数百円~数千円の料金がかかります。
外部に依頼する方法
ホームページの制作をWeb制作会社に外注することで、専門家による高品質なサイトを構築できます。Web制作会社は、デザイン、コーディング、SEO対策など、ホームページ作成に必要な専門的知識とスキルを有しています。
メリット | デメリット |
高い専門性と品質が期待できる | 制作費用が高額になる可能性がある |
制作期間が比較的短い | 制作過程で自社の意向を反映しにくい |
サイト更新や保守運用もサポートしてくれる | 制作会社に依存しがちになる |
外注を検討する際は、複数の制作会社から見積もりを取り、実績やサポート体制、費用対効果などを総合的に比較検討することが大切です。自社の要件にマッチした制作会社を選ぶことで、効率的で満足度の高いホームページ制作が可能となります。
自社制作とアウトソーシングのメリット・デメリット
自社制作とアウトソーシングのメリット、デメリットを紹介します。予算やリソース、ノウハウの有無によって、適切なものを選択しましょう。
(1)自社制作のメリット
自社でホームページを制作する最大のメリットは、外注するよりも低コストで済むことです。制作費用がかからないだけでなく、ランニングコストも抑えられます。
また、自社制作なら自由度が高く、要件に合わせてホームページをカスタマイズできます。デザインや機能を自由に設計でき、将来の変更にも柔軟に対応可能です。
(2)自社制作のデメリット
会社のホームページを自社で制作する際の大きなデメリットは、制作難易度が高く時間もかかることです。
ホームページを手作業でコーディングするためには、HTML/CSS/JavaScriptなどのWebプログラミング言語の知識が必要不可欠です。さらに、デザイン性の高いホームページを作るためには、高度な技術力が求められます。こうした専門知識を社内で持ち合わせていない場合、自社制作は困難です。
また、自社制作では作業時間もかかります。企画からデザイン、コーディングまですべて社内で行うため、通常業務に加えてホームページ制作にリソースを割かなければなりません。そのため、完成までに相当の時間を要することが想定されます。
(3)アウトソーシングのメリット
ホームページ制作をアウトソーシングする最大のメリットは、専門家に任せることで高品質なホームページができ上がる点です。ホームページ制作会社には、デザイナーやコーダー、SEO対策に長けた人材が在籍しており、企業のニーズに合わせたホームページを作り上げてくれます。
さらに、アウトソーシングすれば自社でホームページ作成に専従する人員を確保する必要がないため、コスト面でも恩恵があります。制作期間の短縮も可能で、スピーディーな立ち上げも可能です。
(4)アウトソーシングのデメリット
ホームページ制作をアウトソーシングする大きなデメリットは、制作費用が高額になることです。質の高いホームページを手に入れられますが、その分費用も高くなります。
また、外注先に過度に依存してしまうリスクもあります。ホームページの更新作業などを外注先に任せきりになると、自社で完全に運用できなくなる恐れがあります。
さらに、制作会社の方針や人員体制の変化により、サポート体制が変わったり、コミュニケーションが円滑に取れなくなる可能性もあります。
ホームページ制作を進めよう
会社のホームページは重要なPRツールです。目的や要件に応じて、自社制作とアウトソーシングのメリット・デメリットを見極め、最適な方法を選択しましょう。会社のホームページ制作がうまくいけば、認知度を上げたり、採用ができたりとさまざまなメリットがあります。ホームページ制作に最善を尽くさない手はありません。今すぐホームページ制作を進めましょう。